今回のテーマは瞑想。
瞑想というと「意識を無にする」「無にならなければならない」「無我の境地になること」
と思ってしまうあまり「無」からほど遠い場所へ意識をもっていかれてしまっている方が多いように感じます。
結論から言いましょう。
生きている限り「無」にはなれません(凡人は)
です。
意識というものは常にひとつのところにとどまっていることができず、瞬間瞬間であちらこちらへ飛んでいくもの。
簡単にいってしまえば、移ろいやすい意識をひとつのところにとどめておくことに集中する。それがすなわち「瞑想」です。
あちらこちらに動く意識に翻弄されると「今」に集中できません。
常に過去か未来のことを考えて、今ここにあることを疎かにします。
時間は「今」の瞬間瞬間の連続体です。
今に生きていないと、あらゆる場面において自分が望む目的地へはなかなかたどり着けないでしょう。
たとえば、車で東京駅から銀座へ行きたいとします。
車はあなたの身体です。
運転手であるあなたは意識です。
出発地点の東京は「現在」目的地の銀座は「望む未来」という時間のたとえです。
意識があちらこちらへ飛ぶということは、車があちらこちらへいくということ。
右や左、行ったり来たりフラフラと寄り道をしていては距離に関係なく、とても近い場所でもなかなかたどり着けないでしょう?
それと同じなのです。
銀座という目的地にフィックスしたら銀座のことだけを考える。
すると簡単にストレートに銀座へ着くことができますよね?
意識に集中して心をコントロールすることを可能にする手助けになるのが瞑想です。
集中力を上げることのツールですね。
ではその瞑想の簡単なやり方をご紹介します。
寝る前が一番周囲の環境も、自分の心も落ち着いてもっともよい時間だと思います。
まず1分からはじめます。
たったの1分と思うかもしれませんが、慣れないうちは1分でも心をひとつのところに留めておくことは容易ではありません。
いきなり最初から何十分も意識を無にしようと思うからできないのです。
あぐらでも正座でも椅子に座ってでもいいですが、椅子の場合は背もたれには寄りかからず浅く腰掛けます。
背筋はまっすぐ伸ばして目を軽く閉じ、呼吸に意識を向けます。
自分の呼吸が浅いか深いか観察をして、浅いことに気づいたら一度深く息を吐き出しその後吸い込みます。
そのままゆっくり時間まで呼吸にだけ意識を向けます。
おそらくすぐに意識は呼吸ではなく
「明日、どの服を着て会社へ行こうか?」とか「仕事が終わったあとの約束」のことを考えはじめると思います。
それはそれでよいのですが、気づいたらすぐにその考えには固執せず忘れてください。
意識が呼吸から外れたと思ったらすぐに息を深く吸うこと、吐くことに意識を戻す。
その繰り返しです。
1分になれたら徐々に時間を伸ばしていく。
これを日々の習慣にすれば瞑想は難しいものではなくなります。
まずは「瞑想は無にならなければならない」という考えをあらためることからはじめましょう。
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この記事の著者紹介
ライフバランスアドバイザー。高校生の頃からインドに興味を持ち、心身のバランスを崩した事をきっかけにインド伝承医療アーユルヴェーダを学び10年。長年の経験と知識で多くの方の心身の悩みを解消している。