芸術は無意識の世界への入り口。
宝塚歌劇 花組東京公演 『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』の観劇。
いろんなことに気づかされた。
幼い頃、薔薇の精に出会った少女・シャーロット。
自然界の掟が守られたなら、大人になる前にシャーロットの記憶は消されるはずだった。
しかし、シャーロットに恋した薔薇の精は、自分を忘れられることを恐れ、記憶を消すための忘却の粉を彼女に振りかけることはしなかった。
そして、長い別れ。
精霊たちに出会った記憶をもったまま大人になったシャーロットの人生は不幸続き。
疫病によって早くに母を亡くす。継母との不仲。落ちぶれた貴族の家名を守るための成金との愛のない結婚。金と女が好きな夫との不幸な結婚生活、精神を病み、その後離婚。
頼みの実家の父も早くに亡くなり、自身は事故によって片足を失うという人生。
シャーロットの支えになっていたのは、精霊たち、幼い頃に出会った薔薇の精と過ごした時間だった。
劇中、精霊たちが語る。
自分たちと過ごした時間を覚えていたために、現実の世界に適応できずにいた。
美しい世界と欲にまみれた世界。
高次元を霊界・夢の世界、この世界を現象界とすると、夢と現がうまく行き来できず、こころを病み、精神が崩れていった。
見えなければ見えなくて良かったのかもしれない。
聞こえなければ、感じられなければそれで良かったのかもしれない。
目で見える世界だけで生きることができたかもしれない。
だが、シャーロットは、精霊の世界、多くの人間が見えるはずのない世界を知ってしまった。それを忘れることなく大人になっていった。
この場面をみながら、多くの宇宙ソウルのことを思った。
感じられなければ、聞こえなければ、見えている世界だけで生きることができたはずだが、そうではなかった。
魂の筋書き。
異次元・異界など見えざる世界のエネルギーを無意識に感じ、それに大きく影響を受けて生きているスターシードなどの宇宙ソウルは多い。
魂からのメッセージ、高次元からのエネルギーを受けとりやすいよう設定した体質は、夢と現の行き来がうまくできず、波動の低いこの世界では障害や病気とされることも少なくない。
劇中の話に戻す。
それでも、シャーロットは生きてきた。これでもかという辛い人生と生きてきた。
どうやって耐えられたのだろう?
シャーロットは胸を叩きながら、「ここを強くもっていた」という。
胸。こころなのか? ハートなのか?
わたしは、ハートだと思った。
成長過程が不遇だったり、養育者との愛着がうまくいかないと、大人になってもこころと精神が不安定となりやすい。こころの振り幅は大きく、感情の上下動も激しくなるからだ。
環境や人間関係によって、こころと精神が常に変動し、疲れる。
自分というものが無いので、その場に合わせる、誰かに合わせるというように、反応的生き方になる。
人生とは、ある物語のようなもの。
こころに振り回されている間は、魂からのメッセージは聴きとりにくい。
だが、魂とのつながりが弱いと、こころに支配されやすい。