「クリスタルの娘(クリスタルチルドレン物語) Vol.8」3.5次元の魂 目覚め始めたスターシード Act.13

2019.11.18  Chikako Natsui
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※スターシードを物語形式でご紹介!

スターシード。
地球を愛と癒しで包み、宇宙の平和へとつなげていく任務を遂行するために、アシュタールの星の種を埋め込み、自ら志願して地球に転生してきた魂たち。

 

 

クリスタルチルドレン
「愛と調和」をもたらすため、地球に転生してきた魂たち。
クリスタルの輝きを放つ。

愛と光に包まれた一族の娘。
その魂は祝福の中で誕生した。

前回の話

 

 

人間界での名前は、珠姫(たまき)。

そして、また弟 奏(かなで)も出身星を同じくするクリスタルチルドレンだった。

 

姉弟の地球での始まりの仕事は、愛を知らない母を癒し、無償の愛を伝えること。

だが、それは途方もなく辛く、苦しく、悲しい任務となった。

 

母は、三人姉妹の真ん中。幼い頃に父親を亡くしている。珠姫と奏の祖母の少ない稼ぎでなんとか食いつなぐ生活を送っていた。

母が小学二年生のときだった。祖母は再婚した。職場の上司にあたるひとだという。

貧しい生活ともこれでサヨナラかと思ったのもつかの間、祖母の再婚相手は、とてつもない大酒飲みで賭け事が好きな男。祖母の勤勉さをいいことに、働かず、酒びたりの日々を送っていた。

そして徐々に、祖母や母たち姉妹に暴力をふるうようになっていった。
酔って帰ってきては、大声で怒鳴り散らし、妻や子どもたちに殴る蹴るの暴力。

母たち三姉妹は、いつも部屋の隅で怯えながら、息を潜め過ごしていた。

「お母さんはどうしてあんな男と結婚したのだろう?」

「お母さんはどうしてあんな男と離婚しないのだろう?」

「私たちのことをどうしてもっと考えてくれないんだろう?」

「お母さんは私たちにことを愛していないんだ」

「こんな家、早くでたい」

三姉妹は同じ思いをもっていた。

 

さらなる苦しみが三姉妹に襲いかかる。

一番下の妹が毎日の緊張に耐えられなくなり、精神のバランスを崩し始めた。
目の前の現実があまりにも辛すぎて、受け入れることができなくなっていたのだが。
意識の解離がみられるようになり、複数の人格を作り始めた。

虐待、暴力という忌むべき状況ではあっても、姉妹三人でならなんとか乗り越えられると思っていた。

それが妹の発病。

姉たちのショックと悲しみはどれだけのものだったろうか。

 

中でも、激しくショックを受けたのは、長女だった。

酒に酔って荒れ狂う義父を目の前にして、常に妹二人をかばい続けていた。
それは、三姉妹の母親であるクリスタルの姉弟の祖母よりも勇敢だった。
長女としての責任。姉としての愛情。

だが、必死にかばい続けた妹が病気になってしまった。

「守れなかった・・・」

「わたしの責任だ・・・」

罪悪感とショック。

妹たちをこの地獄から絶対に守る。その信念が長女のこころを保たせていた。
日々奮い立たせていたのだ。

だが、三女の発病は、長女のこころに大きな衝撃を与え、現実からの逃避を選ばせた。

家出。

 

長女は、妹たちがいる場所から逃げ出すことを選んだ。

どんなに必死で、死ぬほど守ろうとしても守れない。かばいきれない。
わたしなんていなくてもいいんだ。
もしかしたら、わたしの存在があの男をさらに悪魔にしたのかもしれない。
きっとそうだ、だからわたしがいない方がみんな幸せになるんだ。

傷ついたこころは、リアリティのない思考へとつながり、イリュージョンを作りだす。

まるで、義父からの暴力や虐待は自分のせいだったかのように思いつめる。
だから自分がいない方が丸くおさまる。

妹たちを残していく罪悪感から逃れるため、空想をどんどん大きくしていった。

 

書き置きひとつない姉の家出。

お姉ちゃんが家を出てていった。

お姉ちゃんはわたしたちを捨てた。

これからどうしよう・・・

どうやって生きていけばいいのだろう・・・

クリスタルの姉弟の母、次女は恐怖のどん底に落ちたような気分を味わった。

 

親を早くに亡くすことは、幼い子どもにとっては、親に捨てられたと思うこともある。
また、義父の暴力からかばってくれない母からも捨てられたような気持ちを味わっていた姉妹たち。それが、今度は両親の代わりに庇護してくれていた姉、頼りにしていた姉から捨てられた。

お姉ちゃんがわたしを捨てた。

わたしは誰からも愛されない。

だから、誰も信用してはいけない。

 

クリスタルの姉弟の母は、無意識にそんな感情をもっていた。

それは、彼女が小学六年生のときだった。

(文:夏井誓子

 

 

3.5次元の魂シリーズ:

Act.1 目覚め始めたスターシード 
Act.2 「スターシードとは?」
Act.3 「インディゴチルドレンとは?」
Act.4 「無理に友達を作らなくてもいい」
Act.5 「クリスタルの娘(クリスタルチルドレン物語)」
Act.6 「クリスタルの娘(クリスタルチルドレン物語) Vol.2」
Act.7 「クリスタルの娘(クリスタルチルドレン物語) Vol.3」
Act.8 「クリスタルの娘(クリスタルチルドレン物語) Vol.4」
Act.9 「クリスタルの娘(クリスタルチルドレン物語) Vol.5
Act.10  「クリスタルの娘(クリスタルチルドレン物語) Vo.6」
Act.11 こころはひとつ  ママへ
Act.12 「クリスタルの娘(クリスタルチルドレン物語)Vol.7」