自慢をしたい何かがあるわけではない。
自慢の何かをもつことよりも、ただ、したいことだけをして、自由にいきることが、
私の魂からの願い。
でも、これだけは自慢したい、人に知ってもらいたいことがある。
数年前、カウンセリングの仕事を始めたばかりの頃、経験と勉強と思って、
特別養護老人ホームで塗り絵のボランティアをしたことがあった。
100歳を超える方から50代まで。
程度の差はあれ、どの方も認知症の症状はみられる。
おかげで、認知症というものに興味をもち、認知症ライフパートナーという資格もとった。
脳の認知についてや、認知症が発症すると、どのように変わるのかなどを理解していった。
形を認識できない、色を認識できない、気分の変化や、
時間、場所の認知の歪みなどについて理解できた。
というのも、私の亡くなった祖母も認知症を発症した。
まだ10代だった私は、祖母の行動が衝撃だったのだ。
ただ、怖がるのではなく、それを身近にみて、理解したいと思っていたのかもしれない。
複数の施設でボランティアをしていたのだが、どこに行っても利用者さん、
スタッフさんから温かく迎えられていた。
私ったら人気者だわ〜なんて、ちょっとした満足感もあった。
認知症の様々な症状がありながらも、塗り絵の時間だけは、みなさん楽しそうだったな。
歌を歌ったり、踊ったりする方もいた。
ま、その行動がすでに病気なのかもしれないが。
企業の殺伐とした中で生きる時間が長かった私は、自分の本質をホントウの意味で
理解していない頃でもあった。こんなボランティアとかやっているけど、
頭の中では分析しているし、結構冷たい人間ではないかと自己分析をしていた。
それが、ある利用者さんからは、「先生、あんたはホントウに優しいよね〜」と言われ、正直驚いた。
他人に対する優しさに関して自己評価が低かったからだ。
それから、50代の若年性認知症の方は、いつも塗り絵に参加せず、
廊下を行ったり来たり歩いているだけなのだが、突然、私のところに来て、
頬にそっと手を添え、「綺麗ね〜」と微笑みながら、それを何度も繰り返す。
見た目の自己評価も低いので「やっぱり認知症の人はちゃんと見えないのかな〜?」などと、
その時思ったりもした。
でも、それから後も、その方は私のところに来ては、「綺麗ね〜」と繰り返す。
そして嬉しいことに、ある時、塗り絵に加わってくれた。
認知症の方は一定時間集中することは難しい。
それでも、他人と同じテーブルについて、塗り絵をやろうと思って、絵を選び、色鉛筆を持つ。
その意欲というか、「やってみたい」というご本人の中で何かが動いたことが私には嬉しかった。
私の自慢したいこと、それは!
優しくって、綺麗だってことよ!
それは、見た目や行動を見て言っていたのではないと思う。
その方達は魂をみてくれていたのだろうと思う。
なぜなら、認知症の方は、エゴという枠の外に意識がいっている。
スピリチュアル的に言えばだ。
だから、何かをしてくれたからとか。思考的に考えてのことでは無い。
ましてや、先生から気に入られたいとか、お世辞とかでは全く無い。
私のホントウを感じ、そして、それを表現してくれたことに、
とってもとっても嬉しかった!
それまで、人間世界で、特に会社組織の中で過ごすことに疲れてもいた。
チームをまとめるという経験が辛かった。
人間とは感情に飲み込まれたり、翻弄されたりすると、闇の部分が多くなり、
その闇が闇に引きずられるように、これほど簡単にダークサイドに行ってしまうということを
学んだ。
また、正直するぎると叩かれたり、陰口、愚痴、悪口などネガティブなエネルギーに
巻き込まれる。
今となっては、大げさかもしれないが、魑魅魍魎の世界を生きていたようにも思える。
あの世界は本当に存在していたのだろうか。
「生きている人間の方が怖い」
という方がいるが、確かにそうかもしれない。
感情やエゴに翻弄され、邪なるものに取り憑かれ、
自分自身が妖怪となり、ダークサイドに住まう人間のなんと多いことか。
そこに留まり続ける時間が長いと、いつしか定位置となり、
闇と闇がくっつき、どんどんとそれが大きくなってくる。
自分の中の光を見失うことも度々あった。
いっ時は、そういう人ばかりが集まってくる時もあった。
もちろんそれも自分が経験する必要のあったことだ。
闇を経験してこそ、光を理解する、そして、自分は闇の住人ではなく、
光に住まうことを願う。
だが、自分の波動が下がると、その波動と同じ人や事象を引き寄せる。
光には光、闇には闇を引き寄せる。
起こる出来事、引き寄せる人々は、自分の内面がエネルギーと波動となって現れての結果だ。
「類は友を呼ぶ」とはよく言ったものだ。
引き寄せとは、波動とエネルギーによって引き起こされる。
自分の波動と同じ波動をもった人を引き寄せ、そして、その結果となる。
ひとのホントウは魂そのものだ。魂は光だ。
ホントウの自分自身とのつながりが切れると、魂からのメッセージは聞こえず、
マイナスの感情に翻弄され、波動が下がる。
そして、闇に住まう人々に寂しさを埋めてもらおうとする。
誰の中にも光はある。
それを見つけてこそ、ホントウを生きることができる。
それまでの社会から離れ、自分のホントウをスタートさせた時に出会った老人介護施設の方に、
「綺麗ね〜」と言っていただいたことは、励みであり、自慢でもある。
魂、キラキラ輝かせることができるなら、波動は高まり、エネルギーは強くなる。
そうすれば、闇は小さくなり、闇に囚われていた魂たちは解き放たれる。